歴史

歴 史…幼稚園設立から現在まで

1910

来日していたカナダの宣教師が、富山市から借り受けた武家屋敷で、キリスト教の精神を基調にした幼児教育を始める。

明治43年

1911

カナダの教会からの支援金をもとに幼稚園を開設。富山県で最初の私立幼稚園が誕生。

明治44年

背 景
「日本へのキリスト教の布教と伝道」「子どもの状況を直視したことから生ずる博愛主義」「子どもたちの状況を変えようとする教育的精神」という3つの思いがあったと考えられている。宣教師にとっては、教育・福祉・伝道は分けて考えることのできないものであり、園児の父母を通しての伝道と、園児に対する福祉と教育を行おうとする意識を見出すことができる。
1920

富山県内最初の仏教系私立幼稚園が開設。
寺院の本堂再建に先立つ記念事業のひとつとして、多目的な建物が建設され、幼児教育や日曜学校、土・日曜講演の開催、困窮者救済のための人事相談所の設置など多彩な活動が行われてた。

大正9年

背 景
江戸時代の寺子屋からもわかるように、寺院はもともと教育と縁があり、また地域の人々からあらゆる依頼・相談を受けるなど、地域の中心的な役割を担っていたということからも、仏教系私立幼稚園の設立は自然の流れであったといえる。
義務教育の充実が優先され、就学前教育に対する理解がなかなか得られない上、市町村財政も乏しく公的な幼稚園設置が進まないという状況の中、これら宗教関係者の尽力により次第に私立幼稚園の数が増えていった。
1932

富山県内の幼稚園数は36園(うち私立は33園)にまで増加。
しかし、戦時体制が強化され始めた昭和16年ごろから、教育より保護の傾向が強まり、幼稚園廃止、保育所への転換・統合が進められ、幼稚園数は減少。
富山市の戦災により、戦前の幼稚園数の40%にあたる幼稚園が焼失。

昭和7年

1954

戦災の苦難の中から復旧が進められ、ようやく戦前と同じ36園に達する。
幼児教育の重要性に対する認識が高まり、加えて訪れた第一次ベビーブームで幼稚園の不足が目立つようになり、昭和20年代後半から30年代にかけて地域によって私立幼稚園が設立され。小学校の中にPTA立の幼稚園がつくられた珍しい例もあった。

昭和29年

1970

第二次ベビーブームを迎え、さらに幼稚園が不足。
新興住宅地では「地区に幼稚園を」との声があがり市町村へ設置の働きかけがなされた。
しかし、市町村財政の問題もあり、幼児教育の向上発展に役立つことを念願した個人が私財を投じたり、農協の支援を受けたりしながら、私立幼稚園が設立された。

昭和45年